このページでは、
何度かフルマラソンにチャレンジしたけど、サブフォー(4時間切り)ができない。
マラソンをはじめたばかりだけど、サブフォーを達成するためには、どのような練習をどのくらい行えばいいの?
と思っている方向けに、フルマラソンでサブフォーを達成するために生理学的な観点を重視した練習メニューを紹介したいと思います。
サブフォーを達成したけど、かなり苦しかった・・・と経験をお持ちの方も必見です。
私は苦しまずに楽にランニングをし続けることにこだわり、正しい知識を持って練習すればランニングはもっと楽しくなると実感しています。
これを読むことで、苦しいけど頑張り続けているランナーの方が少しでもラクに楽しくランニングができるようになればと思っています。
リディアード式トレーニング
このページで紹介するノウハウは、「リディアードのラン人トレーニング」という書籍に書かれている内容をベースとし裏付けされた情報のみを紹介しています。
リディアードさんは、1950年代半ばに「リディアード式」トレーニングを確立し、「中・長距離のチャンピオンランナーメーカー」でした。
それまで、中・長距離の練習メニューはきついインターバル走中心の練習が当たり前だったのですが、リディアードさんは「ゆっくり長く走る」ことで有酸素能力が鍛えられることを提唱し、いまでは中・長距離ランナーの一般的な考え方になっています。
それだけでなく、リディアードさんは心臓病のリハビリに走ることを導入した「ジョギングの生みの親」とも呼ばれていて、そして、このことが一般人にも普及し今のマラソンブームに繋がっているのです。
すごいのが、リディアードさんが考案したトレーニングで、200メートルですら続けて走ることがやっとだった中年の心臓病患者20人が、8ヶ月で全員が32キロ走れるようになり、その内8人がフルマラソンを4時間前後で完走したのです。
これを聞くと、どんなトレーニングをしたのって?疑問に思いますよね。
これから、その内容を紹介していきます。
有酸素運動の土台
リディアード法のトレーニングでは、「速く走るためには、ゆっくり長く走る」ことを推奨しています。
一見矛盾いているようにも聞こえますが、生理学的に速く走るために重要な「有酸素運動の土台」を築くために、ゆっくり走ることは重要なトレーニングなのです。
土台を築くというと、その後、きついインターバル練習する必要がでてくるのでは?と思われがちですが、私の経験上、フルマラソンをサブ4で走るためには、インターバル練習も速いペースでのランニングも不要だと感じています。
ここで、重要なのは走るペースや距離ではなく、走る時間がポイントになってきます。
よく、サブ4を達成するためのメニューをネットで調べると、まず先にインターバルメニューだったり、サブ4を達成するためには1キロ5分を切るペースで練習する必要があるなど、紹介されています。
実際に、SNSなどで市民ランナーの投稿を見ていると、「今日は、何キロ、どのくらいのペースで走った」など投稿されていますよね。
ガーミンなどのスポーツウオッチを使うと、走った距離やペースを正確に教えてくれるので、それの内容を投稿するのはまったく悪いことではありません。
むしろ、私も他のランナーがどのような練習しているのかなぁっと参考いしたり、いい刺激をもらっています。
しかし、注意してほしいのは、他人の数字(距離やペース)を自分に課してはいけないということです。
他人の数字に引っ張られてしまうと、走ることがキツくなるし、コンディションが違う他人と比較して自分は負けていると思ってしまうと、走ることが楽しくなくなってしまいますからね。
「ゆっくり長く走る」とは、自分の体の反応だけを見つめながら、トレーニングを重ねることが重要なのです。
ゆっくり走る効果
本当に、ゆっくり走ることで、フルマラソンでサブ4を達成できるのって?懐疑的になってしまう方も多いと思います。
実際に「普段1キロ、7分~7分半くらいのペースで練習している人がサブ4達成したなんて信じられない」なんて疑問をよく耳にします。
そうですよね。少なくても1キロ6分切るくらいのペースでフルマラソンを走らないと、サブ4を達成できないですからね。
リディアード法の「速く走るためには、ゆっくり長く走る」ことの効果を知るために、生理学的を視点を持つといいかも知れません。
これを知っておくと、周りのランナーから聞こえてくる数字に囚われず、自分のためのトレーニングを続けることも可能になってくると思います。
マラソンを走り切るためには、持久力、有酸素能力の向上が必須です。
持久力、有酸素能力の向上とはなにか?
生理学的視点で言うと、筋肉内のミトコンドリアの発達や毛細血管の発達です。
※ミトコンドリア=エネルギーの生産工場と言われています。
19070年代に行われたドイツの研究で、ミトコンドリアや毛細血管の発達は2時間からそれ以上の運動が継続して行われると、ミトコンドリアと毛細血管の発達が急激に伸びるということが分かっています。
だからと言って、運動を続けていて2時間以上になったら、「よーい、ドン!」で突然発達が始まるものでもありません。
運動継続時間が1時間から1時間半でも十分に効果はあります。
このように生理学的に考えると、重要なのは「継続して走る時間」で、〇メートルx〇本ダッシュするインターバルや1キロ〇分で走ったなどの数字はあまり重要じゃないと思いませんか?
練習内容
ロングランの走る時間とペース
では、「ゆっくり長く走る」っていってもどのくらい長く走ったらいいの?
についてですが、これは人それぞれ、年齢やいままで運動経験によって違ってきます。
私の目安は「これくらいならいつでも、無理なく走れるかなぁ」という走り続けられる時間の2倍くらいの時間と考えています。
例えば、「1時間だったら、いつ走ってもきつくないなぁ」という時期は2時間、1時間ランのときよりも、ゆっくり走るようにしています。
ここで、注意点は「いつもで」は次の日に疲れや筋肉の張りを残さないくらいを目安にしています。
次の日に筋肉の張りが残ると、疲れが蓄積されていくので毎日は続けられないですよね。
週の練習回数
ロングランは週に一回はしたいところです。そして、その間に軽めのランを入れましょう。
<ロングランが2時間のメニュー例>
- 日:2時間のロングラン
- 月:休み
- 火:30分のラン
- 水:休み
- 木:1時間のラン
- 金:休み
- 土:休み
ロングランの目安が2時間に満たない方でも、焦ることはありません!
しかし、2時間継続して走ることができれば、ミトコンドリアと毛細血管が急速に発達するようになるので、少しずつ確実に時間をのばしていくようにしましょう。
ここで焦って無理してはケガをすると、もし目標としているマラソン大会があった場合に間に合わなくなってしまいますからね。
ポイントはハード&イージー
自分のレベルに応じて、毎回同じ距離を同じペースで練習している方は多いと思います。
実際に私もそうでしたし、誰しもがやりがちな練習だと思います。
もちろん、ランニングが日課で健康のために走っている方は、同じ練習を続けられていて、すばらしいことだと思います!
しかし、マラソンでサブ4を達成したいなど、記録を狙うためには、効率的な練習を考える必要があります。
前項でもお伝えした通り、長い時間走り続けたほうが、ミトコンドリアや毛細血管の発達がしやすくなるため、長い時間走り続ける日を設けたメニューの方が効率よく「筋持久力」をアップさせることができます。
例えば、
1時間15分のランニングを週に3回(合計:3時間45分)するより、上記メニュー例のように、週に一回はロングラン、それ以外は短めのラン(合計:3時間30分)のメニューの方が効率がよいと思います。
そして、少しずつでもいいのでロングランを2時間以上できるようになれば、更にミトコンドリアや毛細血管の発達が見込まれ、サブ4達成はかなり近づきます!
休息が大事!
ロングランをした後は必ず休息するようにします。
ロングランにより、一時的に体力は低下しますが、休息により体力が回復どころか、もとの体力以上の回復(超回復)が起こります。
これがトレーニングの効果なので、つまり休息することによって、トレーニングの目的を達成することが出来るのです。
休息の日はまったく動かないと、筋肉が萎縮し心拍数も上がらない分、筋肉に酸素や栄養分が送り込みにくくなってしまうため、軽めのジョギングやストレッチをすることが望ましいです。
まとめ
マラソンと言うと、毎日苦しいトレーニングをこなさないと記録が伸びないと思われがちですが、生理学的な体の反応を理解しトレーニングメニューを考えることで、苦しまず楽しくランニングを続けられるようになると思っています。
ネットやSNSの情報に囚われず、ご自身の体の反応を意識しラクに楽しくサブ4を達成しましょー!
参考文献